そんなややこしい思いをしてレンタルなんぞするものかという意見も十分にわかります。ただ膨大な映画作品が目の前にあって、私という人間一匹がそこにあって、それでひとつの作品を手にするというそのことに、その瞬間の煌めきに、もう少し光が当たってもいいのではないか。そんなようなことを、架空の一本釣りの映画少年の瞳を前に、考えてしまったのかもしれません。(演出家 長塚圭史/SANKEI EXPRESS)
■ながつか・けいし 1975年5月9日、東京生まれ。96年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成。ロンドン留学を経て、新プロジェクト「葛河思潮社」を立ち上げた。