FG社長に専念
佐藤氏は、金融庁に2度目の業務改善計画を提出した(1月)17日にトップ交代を発表できなかった理由として、「(林副頭取)本人の承諾が得られていなかった」と釈明したが、歯切れの悪さはつきまとう。
新たな経営体制で佐藤氏は、みずほFG社長としてグループの経営改革を指揮する。みずほ銀の経営は林氏に一任する形だ。
みずほFGは信頼回復に向け、「委員会設置会社」への移行や社外取締役の起用など企業統治の強化策を進める。佐藤氏は「トップ交代で覚悟を示し、社員一丸となった取り組みが促進される」と力を込めた。
3つの銀行が合流してできたみずほグループは、出身行による派閥争いが経営の混乱を招いてきた。佐藤氏は、昨年(2013年)7月にみずほ銀とみずほコーポレート銀行の合併で「新・みずほ銀行」の発足にこぎ着けた功績がある。“ワンみずほ”の象徴だった佐藤氏の頭取退任は、グループ一体経営の推進に影響を及ぼす恐れがある。(塩原永久/SANKEI EXPRESS)