常に「最高のものを」
さらに作品の概要をうれしそうに説明し始めたディカプリオの顔を見ながら、残念に思ってペンを置こうとしたとき、ふと思い出したかのように次々とあふれ出した彼の言葉に目を見張った。「僕は15歳のときからずっと俳優の仕事に臨む態度はまったく変わっていません。15歳のときと同じテイストを今でも持っています。次々とクラシックな名作映画を見まくり始めたのもこの歳からです。ある映画でロバート・デ・ニーロと共演することになったとき、最高のものを作らねばと1年間、自宅で映画ばかり見ている生活をしたことがあります。映画業界に君臨する巨人とされる人たち、英雄たち以上の仕事を自分もしよう。そういう姿勢を大切にやってきたんです。だから、僕は出演した作品の出来栄えに満足していないし、まだベストな仕事はしていないと思っています」
7年かけて完成
ディカプリオは根っからのアーティストなのだ。ちょっとやそっとのことではめげない、タフな男で、アカデミー賞受賞の有無など、彼にすれば些末(さまつ)な話。そんな一途な男がプロデューサーとしても参加し、7年の歳月をかけて完成させたのがコメディータッチに描かれた本作だ。主人公は金もコネも学歴もない冴えない男だが、ディカプリオに負けず劣らずのタフさと巧みな話術を武器に、年収49億円へと華麗に人生をステップアップしていったウォール街の実在の株式ブローカー。