党大会を終え、記者会見に臨む橋下徹・日本維新の会共同代表=1日、東京都港区(宮川浩和撮影)【拡大】
出直し市長選は、支持率の低迷にあえぐ維新にとって、起死回生に向けた「切り札」という側面もある。また、自民、公明両党を相手に戦う構図になれば、野党再編を狙った戦いと位置付けることもできる。ただ、敗れればすべての思惑は霧消する。橋下氏は党大会で「政治の世界から葬り去れという市民・府民の声があれば退場する」と強い覚悟を示したのも、そのためだ。
党内からは早くも、こんな悲観論がくすぶり始めている。
「負けたら橋下氏は政界引退だ。維新のすべてが壊れる」(SANKEI EXPRESS)
■大阪都構想 大阪市を中核市並みの権限を持つ人口30万~50万人程度の特別区に分割し、大阪府とともに再編して都へ移行させる構想。2013年2月に制度設計を担う法定協議会が始まった。広域行政を都に一本化して二重行政を解消し、特別区には公選区長と区議会を設け、住民サービスの充実を図る。橋下市長が府知事時代の10年に提唱し、都構想の是非を争点に掲げた11年の大阪ダブル選で勝利。市長は14年秋の住民投票を経て、15年4月の移行を目指しているが、困難な情勢。実現には、法定協で協定書を策定し、府市両議会で議決を得た後、住民投票で過半数を得る必要がある。