サイトマップ RSS

愛しのラテンアメリカ(3)キューバ 「お金下さい」にも気品と誇り (1/3ページ)

2014.2.2 10:30

首都ハバナでは子どもたちの間で、レンズがないだて眼鏡が流行っていた=キューバ(緑川真実さん撮影)

首都ハバナでは子どもたちの間で、レンズがないだて眼鏡が流行っていた=キューバ(緑川真実さん撮影)【拡大】

  • サンティアゴ・デ・キューバの美容室に男の子がふらっと訪れ談笑が始まる。彼のヘアスタイルについて話しているのだろうか=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • トリニダの床屋さんで、窓枠からじっと見つめる少年が面白くて、私もそーっとシャッターをきる=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • サンティアゴ・デ・キューバでハリケーンの被害にあった家を修理する男性。カメラを向けると手を振ってきた=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • 首都ハバナの古びた建物のエントランスで麻雀風のゲームにこうじる若者=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • いかついアメ車は変わらずキューバの代名詞=キューバ・首都ハバナ(緑川真実さん撮影)
  • キューバ・首都ハバナ、カマグエイ、トリニダ、サンティアゴ・デ・キューバ

 街を歩けば「せっけんくれ」、小学校を見学すれば「ノート下さい」。欲しがる人がいると知っていたら用意していたのに。子供たちはとりあえず外国人を見ると「なんかちょうだい」。

 観光地トリニダで2週間ほど滞在した宿のオーナーには、私が履いていたニューバランスのシューズで宿代を支払うことを提案された。靴は一足しかなかったので、日本から新しい靴を送る約束をすると、真顔で「ダメだよ。良い商品は何でも郵便局員が盗むから」と忠告され、「物資不足」の4文字が頭に浮かんだ。

 確かに、多くのキューバ人の生活は裕福とはいえない。でも不思議とここでは、貧しさからくる卑しさや惨めさを感じない。堂々と「私はお金がありません。あなたはあります。だからお金を下さい」。こんな単純で理路整然とした態度で、お金を乞う。そして、いくらか渡すと本当にうれしそうな表情を浮かべて「ありがとう」と感謝する。そこには「施し」や「人助け」「寄付」などというたいそうな概念はない。あえて言うなら「シェア」だろうか。

 シェアといえば、連載第1回に登場した闇タクシー運転手も、運賃のほぼ半分を客引きに渡していた。もっと彼が稼げるように、客引きも兼ねるようアドバイスすると、ハンドルから離した左手の人差し指と中指を絡まし、ニヤッと笑って一言。「お互いさまでしょ」

「歩くドル札」ではなく同等の「人」

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!

ページ先頭へ