北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる談合事件で、入札に参加した設備工事会社が、東京地検特捜部などの調べに「材料費が高くてもうけがなかった。赤字になる恐れもあった」などと話していることが2月4日、関係者への取材で分かった。
特捜部は4日、独占禁止法違反容疑で、工事発注元の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」東京支社(東京都港区)など関係先を家宅捜索。特捜部は利益を確保するため談合で均等に事業を割り振っていたとみて、押収した資料の分析を進める。
関係者によると、業者十数社は、機構が2011年3月~12年11月にかけて発注した線路周辺の雪を溶かすパネルを設置する事業など計13件の競争入札で、入札価格を申し合わせるなどした疑いが持たれている。
鉄道の融雪パネルは、安定的に資材を大量提供できる業者が国内に1社しかなく、仕入れ値が下がりにくい。東日本大震災後の人件費上昇もありパネルの設置費用は高止まりしており、談合に参加した業者の関係者は「利益が発生しづらい事業。赤字になる恐れもあった」などと話している。