料理に舌鼓を打ちながらの会合では、機構が既に公告していた工事の落札者を決定。それ以降の事業についても、次々と落札者を決めていった。
入札には一定の技術力を持つ業者のみが参加できる「条件付き一般競争入札」が採用されており、ある業界関係者は「いわば設備工事業者のムラが形成されていた。自然と談合で利益を確保する意識が芽生えたのだろう」と断言する。
その後、密談で決まった落札予定業者は、機構の職員に自社内部で作成した工事の見積額を提示。機構職員は「少し違う」「開きが大きい」「もう少し下」などとほのめかす形で、予定価格を伝えていたという。
こうしたやりとりが何度か重ねられた上で、落札予定業者が“推察”した予定価格を他社に伝達。実際の入札の際には、落札予定業者が事業を確実に受注できるように入札額を調整していた=図。