「生きる伝説」
「アベンジャーズ」(2012年、ジョス・ウェドン監督)の撮影で本作のオーディションに参加できなかったというヘムズワースは、「デモテープを作ってハワード監督に送りました。まずは、名監督の作品に出てみたいという思いが先にきたからです。僕はF1に詳しくないんですよ」と明かした。脚本を通してその人物像を知ることになったハントについては「『これが俺だ』という強烈な生きざまは魅力的でしたね」と満足そう。一方、ブリュールは、鬼気迫る表情で勝利への執念を燃やすラウダの精神を自分のものとしたことで、「どんなにつらいことがあっても、きっと僕は自分を奮い立たせることができるはず」と確信したそうだ。
ハントとラウダは1976年のシーズン、年間チャンピオンを目指してドイツグランプリに挑んだ。しかし、首位を走るラウダはレース中の事故で瀕死(ひんし)の大やけどを負う。耳は焼けただれ、太ももの皮膚を移植して再生を試みた顔も元通りにはならない。だが、ラウダは病室のテレビで着々とポイントを稼いでいくハントを見て、静かに闘志を燃やす。決して細くはない棒状の医療器具を口から突っ込まれて肺にたまった膿(うみ)を抜くといった、見るに堪えない必死のリハビリを経て、奇跡の復帰を果たすのだが…。