ブリュールは役作りのため、ラウダを訪ねた。ラウダは、母国オーストリアをはじめ、ドイツ語圏の国々では「生きる伝説」と言われ、尊敬される人物。「オーストリアの人々はラウダの人生が僕の主演で映画化されることを必ずしも喜んでいるとは限らないだろう」。ブリュールは不安な気持ちを抱えたままラウダに対面すると、会話は弾まず、少し堅い人物という印象を受けた。「ただ、1時間ほど会話を交わしていると、ラウダは打ち解けてきましたね。結局、僕が自分を演じるにふさわしい人物なのか判断していたんですよ。後半は、好意的となり、ラウダ本人しか知らない情報までくれるようになりました」
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ドイツ語はもちろん、英語、スペイン語、フランス語を流暢(りゅうちょう)に操るブリュールだけに、サーキットや記者会見で英国人のハントと英語で挑発合戦を繰り広げたり、後の妻とドイツ語で愛を語らったりというシーンもお手のものかと思いきや、まったくの逆で、やはりプレッシャーとの戦いだったらしい。