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客席との距離がなくなる「魔法の時間」ある バレエダンサー 加治屋百合子さんインタビュー (1/5ページ)

2014.2.11 11:35

世界5大バレエ団の一つアメリカン・バレエ・シアターでソリストを務める加治屋百合子(かじや・ゆりこ)さん。3年ぶりの引っ越し公演で再度の全幕主演を果たす(伴龍二撮影)

世界5大バレエ団の一つアメリカン・バレエ・シアターでソリストを務める加治屋百合子(かじや・ゆりこ)さん。3年ぶりの引っ越し公演で再度の全幕主演を果たす(伴龍二撮影)【拡大】

 世界から今をときめくスターが集結するアメリカン・バレエ・シアター(ABT)で、日本人ただ一人のソリストを務める。2011年の来日公演では「ドン・キホーテ」のヒロイン、キトリ役で名門の全幕主演を日本の舞台で初披露した。しなやかな線を描く端正でダイナミックな演技は、全編がお祭りのような舞台でひときわの輝きを放ち、恋に生きる女性の微妙な胸のうちも情趣たっぷりに映し出して、華やかなハッピーエンドを築き上げた。

 「特定のストーリーやイメージを伝えようと意識するのではなく、私自身が役の中にどこまでも入り込み、私の体を通して出てきたものをお客さまが受け止め、それぞれの胸の中で何かがわき起こり、心の中に刻まれるものがあればと願っています。何かを見たい、感じたいと身を乗り出され、踊っている私との距離が限りなく近づいていると感じられる瞬間があります。それは魔法のような幸せな時間です」

 演劇的、ユーモアある舞台

 そう語る加治屋は、2月20日から3月1日まで東京都内で行われる今回の来日公演で、3大バレエの一つ「くるみ割り人形」のヒロイン、クララを演じる。少女のクララは、壊れたはずのくるみ割り人形とともに、クリスマスの夜を彩るファンタジーの世界へと誘われる。いつしか加治屋が演じる大人のクララへと姿を変え、くるみ割り人形も、すてきな王子となって登場する。

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