だが昨年(2013年)10月、APEC首脳会議が開催されたインドネシアで、台湾の蕭万長(しょう・ばんちょう)前副総統と会談した習近平国家主席は「中華民族の偉大な復興の共同促進へ政治的な意見の相違を解決し、次の世代に残してはならない」と強調し、政権任期中に統一の道筋にめどをつけるとの政治的な意思を示した。
中国側は台湾統一工作の基本を「先経後政(まず経済、その後に政治を)」と位置づけてきた。当局間公式協議のスタートは中国にとって、「その後」のステップに入ることを意味する。習指導部は今秋、北京で開かれるAPEC首脳会議に馬総統を何らかの肩書で招き、歴史的な首脳会談に臨み、国際社会に「両岸(中台)関係の前進」をアピールするシナリオを描く。
政治対話を一貫して拒む姿勢の台湾に対し、公式協議で政治対話が進展しなければ、中国は“アメ”だけではなく、軍事力など“ムチ”もちらつかせる危険性がある。11日の公式会談で中国側はまだ“アメ”の笑顔を続けたが、APECを控えて強硬に政治対話を求めるのは必至だ。