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ただ人が歩いている その姿の美しさを感じる 町田康 (3/5ページ)

2014.2.17 17:55

(町田康さん撮影)

(町田康さん撮影)【拡大】

  • 「渡良瀬」(佐伯一麦著/岩波書店、2310円、提供写真)
  • 「なんでもない所をどう表現するかに、作家の蓄積した技術が試されると思う」と話す、作家の町田康さん=7月26日、東京都港区(瀧誠四郎撮影)

 心地よい衝撃

 その、手にてなすこと、すなわち、この世で人間が実際に生きていくために必要不可欠なものを作り出すこと、が克明に、丹念に、澄んだ文章で書かれるのを読んで、読み狂人は、そこらへんに落ちていた、どうでもいいような木の棒で脳天をどつかれたような衝撃を受けた。見ると、あたりに脳ミソが散乱していた。

 しかし、それは心地よい衝撃であった。いままで黙っていて申し訳ないが、実は読み狂人は、はっきり言ってこれまで、手にてなすこと、をしたことがほとんどない。若い頃は場末で歌うたいをして、中年以降は小説家になってしまったからである。

 『渡良瀬』の主人公、拓は28歳で、時代は1988年、ということは同年に、28歳だった読み狂人と同世代であるが、思うことと言うことに、というよりは、歌舞音曲に熱中していた読み狂人は、手にてなすこと、をこのようにとらえたことはなかった。

時とともに流れる意識

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