ウクライナ・首都キエフ【拡大】
野党勢力の反政府デモが続くウクライナの首都キエフで2月18日、デモ隊と治安部隊の衝突が再燃した。治安部隊は18日から19日にかけ、首都中心部を占拠する野党勢力の強制排除に着手し、保健省は19日、衝突で25人が死亡、350人以上が負傷したと発表した。野党側が銃器を使用したとの情報もあり、昨年(2013年)11月から続く混乱は最悪の事態に発展、米国や欧州連合(EU)も懸念を表明した。
野党「ウダル」のビタリ・クリチコ党首(42)らは19日、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領(63)と会談したが、大統領は治安部隊の撤収を拒否し事態収拾のめどは立たなかった。
政権側は18日の衝突の際、治安部隊員が銃撃で死亡したと主張。「反テロ作戦」として高圧放水銃や催涙ガス、装甲車数台を投入し、「独立広場」に陣取る数千人の排除に着手した。周辺のバリケードを撤去し、広場の一部に進入した。
野党側も投石や火炎瓶で激しく抵抗。タイヤや木材に火を付け、治安部隊の前進を阻んだ。治安部隊は19日未明、突入の動きを止めたが、広場の包囲網を狭めて野党側への圧力を強めている。