ロシア国民の期待を背負ったアイスホッケー男子代表の夢が砕け散った。ソチ冬季五輪第13日の2月19日夜、アイスホッケー男子の準々決勝4試合が行われ、開催国の威信にかけて金メダル奪還を目指したロシアは、前回バンクーバー五輪3位のフィンランドに1-3で敗れた。ベスト8での早過ぎる敗退に大きな失意が国民の間で広がり、ジネトゥラ・ビリャレトディノフ監督(58)は「国民にただ謝りたい」と喪失感をあらわにした。ロシアは今大会、強化策が奏功し、競技全般を通じて往年の強さが戻ってきているが、最も金メダルが欲しかった競技でメダルを逸し、“復活”も色あせた形だ。
まばゆい輝きを放つはずの個人技が、孤立して空転。試合終了のブザーが鳴ると超満員の観衆は言葉を失った。
エース、わずか1点
ロシアは第1ピリオドに1点を先制したが、守備が安定せず2失点。第2ピリオドにフィンランドに3点目を奪われた。最高峰の北米プロリーグ、NHLで活躍する屈指のエース、FWアレクサンドル・オベチキン(28)はこの日も不発。大会5試合でわずか1得点に終わり、「最低だ。今は何の感情も湧かない」と吐き捨てた。同じNHL選手で主将を務めたFWバベル・ダチュク(35)も「今あるのは落胆だけだ…」と沈痛な表情を浮かべてリンクを去った。