≪グルメ、景観、優しさに満たされて≫
“温泉天国”と言われる九州の中でも、ひときわ高い人気を誇る鹿児島県の指宿温泉。地熱を利用した世界にも珍しい砂蒸し温泉は、日本人なら本やテレビで目にしたことがあるのでは。海と山に囲まれた風光明媚な景色に加え、名産のカツオで作った薩摩料理も大きな魅力。寒い関東から脱出し、大自然に囲まれた“南国リゾート”指宿で、春の訪れと旬の味を堪能した。
大きな2つの半島が南北に延びる鹿児島県。その西側、薩摩半島の南端に位置するのが砂蒸し温泉で知られる指宿だ。本州から遠いイメージもあるが、羽田から鹿児島空港は飛行機で約1時間45分、そこから指宿までレンタカーを利用すれば1時間半程度。午前10時の飛行機で出発、昼過ぎには指宿に到着した。
指宿で車を降りると、真冬とは思えない温暖な気候に驚く。まずは指宿名物の砂蒸し温泉を体験するため霧島錦江湾国立公園内にある宿泊施設、休暇村指宿に向かった。休暇村の営業係長、大沢智行さんによれば、指宿の砂蒸し温泉は300年以上前から親しまれ、現在も数軒が運営しているという。「地熱を利用しているので、15分も入れば体の芯からぽかぽかになりますよ」