地元カツオの豪華なコース
脱衣所で作務衣に着替え、さっそく海岸沿いにある砂蒸し温泉へ。風呂にはスコップを持った男性スタッフが数人待機し、「ここに寝てくださいね~」と人の大きさほどの穴をすぐに掘ってくれた。穴のなかに横たわると、あっというまにスコップで砂を掛けられ、地熱がじんわりと体全体を包み込む。男性スタッフに「指宿はきょうも暖かいですね」と話しかけると、「ええっ! きょうはこの冬一番の冷え込みだよ」と驚かれた。
砂蒸し温泉から海を眺めると、南の約1キロ沖合にある無人島の「知林ケ島(ちりんがしま)」が見える。大沢さんによれば、3~10月には長さ約800メートルの砂の道が出現し、島まで歩いて渡ることもできるのだとか。「渡れるのは、砂の道が現れる引き潮のときだけなんです。縁結びの島とも言われているので、大切な人と渡ってみては」
この日はそのまま休暇村に宿泊することに。部屋で一休みしてから、夜は3月からスタートする旬の初鰹づくしのコースを一足早く堪能させてもらった。指宿の西に位置する枕崎は日本有数のカツオの水揚げ港で、特に地元の漁師が一本釣りしたカツオは「枕崎ぶえん鰹」と呼ばれ、数は少ないが高級品としても知られる。コースでは地元のカツオを使ったお造りや鍋、フォアグラを乗せたステーキなどが楽しめる欲張りな献立だ。