軟らかい肉をかむと、癖のないジューシーな味が染み出してくる。どんどん手が伸びる。丁寧に手でたたかれたつくねも、口の中でほろりと崩れて思わず笑みがこぼれる。鴨のうま味が鍋にうつったところで野菜や豆腐を入れ鴨肉をじっくりと煮ていく。
「鴨肉は豚や牛肉に比べてビタミンAやB2が多く含まれています。また、不飽和脂肪酸といわれるリノール酸が多く含まれるので肌のキメが整います。女性にはお勧めですよ」と笑う青木さん。
どれだけ煮ても牛肉や豚肉のようなあくはまったく出ず、肉も軟らかなまま。最後まで澄み切っただしを余さず味わってもらおうと、最後のシメは雑炊を勧めるとか。希望があればそばにも変更は可能だが、鍋のうま味が存分に味わえる雑炊は、五臓六腑に染み渡るよう。
ランチは洋食も
鍋だけでおなかいっぱいだが、ここは割烹料理屋。その日に入った新鮮なお造りや、この時期ならではの魚介類もふんだんに楽しめる。
「お客さんから、まだまだ食べたいけどもう食べられへん」と言われるのが何よりの幸せという青木さん。「最初はまず鍋でお店を知ってもらって、次はこれが気になるなと通ってもらえたらうれしい」という。