【京都うまいものめぐり】
フランスの串料理「ブロシェット」。それをそのまま店の名に冠した串焼き料理店が京都の繁華街、烏丸御池近くにある。ワインの産地、ボルドー地方では、ブドウの収穫後に行われる剪定(せんてい)作業で出た枝などを燃やすとき、一緒に肉や野菜を刺してあぶって食べたという。そんな豪快な料理に端を発するフランス風串焼きとはどんなものだろうか。わくわくした気持ちで木の扉を開いた。
店内にほのかにたちこめるのは、炭火で焼く香ばしい香り。焼きを担当する西川鎌一さんは、串焼き料理店で修業しながら、西洋の雰囲気をまとわせる串料理店を開きたいと思っていてブロシェットに巡り合ったという。3年前に店をオープンする前にはフランス各地のブロシェットを見聞したそうだ。
野菜もふんだんに
フランスでは30センチほどの長い金串を使って、肉から野菜、果物にいたるまで串焼きにしたバーベキュースタイルがほとんど。「ただ、そのまま取り入れるより、日本人向けにサイズを小さくして、和食に通じるような彩りの美しさと、丁寧な下ごしらえを心がけています」と西川さんはいう。