【Campus新聞】
≪ガイドボランティアの坂東さん≫
古墳を街の活性化に役立てるには、市民の存在が欠かせない。「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」の世界遺産登録に向けて活動を行う市民は増えてきている。堺観光ボランティア協会で副理事長・案内所総括を務める坂東史朗さん(75)もその一人。仁徳天皇陵前でのガイド活動などを通じて、世界遺産登録に向けた市民の意識の変化を実感しているという。
「古墳は私たちのガイド活動の中心」と、坂東さんは言う。堺には社会人となり、仕事の都合で移り住んだ。そして、定年を迎えたとき、自分の住む街のことを全く知らないことに気付き、学び始めたという。そして、学んだことをたくさんの人に伝えたいという思いから、ボランティア活動を始めた。
協会には約200人の会員が所属。毎日交代で、市内の観光名所で定点ガイドを行ったり、堺市の観光を盛り上げるためのイベントを企画したりしている。
ガイドの拠点の一つである仁徳天皇陵前では、世界遺産登録を目指していることを積極的にPRしている。ガイドの際、坂東さんは「どちらから来られたのですか?」と必ず尋ねるようにしているのだが、最近、最も多い回答は何と「堺市」なのだという。自分の街の遺産に目を向け始める人が増えてきている証拠だ。