筒井 そうですね。うちは精神障害がある方が多いんですけど、コンビニのバイトに普通に受かる。でも、1、2週間はよくても、そのうち人間関係とかがネックになって、体調悪くなってしまう方が結構いる。せっかくがんばっても、戻ってしまう。それを食い止めたい。
天童 企業に障害ある人を雇えという流れがある。でも、会社勤めって、人間関係ですよ。気の合う人がいる所だと仕事がはかどる。なら、むしろ作業所とか、分かってくれている人の所を最終的な雇用先にした方がよっぽどいい。NPとハナがやられていることは、一つの先端モデルなんじゃないかな。とはいえ、全く課題がないわけでもないのでは。(構成・文:塩塚夢、撮影:宮崎裕士/SANKEI EXPRESS)
■てんどう・あらた 1960年、愛媛県生まれ。86年『白の家族』で第13回野性時代新人文学賞受賞、93年『孤独の歌声』が第6回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『家族狩り』で第9回山本周五郎賞受賞、2000年『永遠の仔』で第53回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞、09年『悼む人』で第140回直木賞、愛媛県文化・スポーツ賞、13年『歓喜の仔』で第67回毎日出版文化賞受賞。