作家、天童荒太(てんどう・あらた)さん=2014年2月12日午後、東京都千代田区(宮崎裕士撮影)【拡大】
天童荒太さん(以下天童) 廃棄物とハンデを持っている方の雇用の問題。世界にとって大事な問題だと個人的にも考えていたところ、この2つをつなげ新しい仕事にしている人がいるというのは大きな驚きでした。まず、「NEWSED PROJECT(以下NP)」(※1)の理念を教えていただけますか。
かっこいいものを作る
青山雄二さん(以下青山) NPは、「古くなったものを新たな視点でみることで、別の新しいものとしてよみがえらせる」というブランドコンセプトが一番の根幹です。
最初は「なんかいい廃材ないかな」と探していたんですが、一個商品ができると、どんどん「いろんな廃材あるよ」と声をかけていただける。今、日本全国から、本当は捨てたくないけれど、企業が経済活動をする中でどうしても捨てざるを得ないものが集まってきている。その中から、商品として再び世に出せる魅力のある廃材…素材を抽出しています。
現在扱っている素材は、髪留めやボタンを作るときに出るアクリル素材の余りや、珍しいところでは東京ドームの天井などに使われるテント生地。学習塾の机や椅子の天板などもあります。机なんて、落書きだったり、すごく面白いストーリーを持っている。それをどう生かすか。そのままではマイナスでしかない廃材を、どうプラスにとらえるか。