作家、天童荒太(てんどう・あらた)さん=2014年2月12日午後、東京都千代田区(宮崎裕士撮影)【拡大】
天童 それはとても大切な話だと思います。話を少し戻しますが、なぜ、作業所と組もうと思ったのでしょうか。
青山 社員研修の一環で福祉作業所を訪れたとき、「工場だな」って思ったんです。マンパワーがある場所だと思いました。こういうのが全国に7000カ所ある。僕はそこで、勝手にくくったわけです。何百万人もいるマンパワーってすごいって(※5)。
天童 でも、そう思ったとしても、仕事をするとなると、どうしても納期までにきちんと上がってくるかとか、リスクがあるはずで、なぜそこであえて。
青山 これは後から感じたことなんですけど、ただ仕事を発注するだけじゃないよさってありますよね。行ったら声かけてもらったり、ボールペンくれたり。呼び捨てにされたり。ビジネスライクとは違う、人と人とがつながれる、気持ちの部分がある。手紙もらったりしたら、うれしいですよね。(取材・文:塩塚夢/撮影:瀧誠四郎、宮崎裕士/SANKEI EXPRESS (動画))