中国の第12期全国人民代表大会(全人代=国会)第2回会議が3月5日、北京の人民大会堂で開幕した。公表された2014年の予算案によると、国防予算は8082億3000万元(約13兆4460億円)。前年実績比12.2%増で、4年連続で2桁の伸びとなった。
李克強首相(58)は就任後初の政府活動報告の中で「平時の戦闘への備えと国境・領海・領空防衛の管理を強化する」と表明した。さらに「第二次大戦の勝利の成果と戦後の国際秩序を守りぬき、歴史の流れを逆行させることは決して許さない」と強調。名指しは避けつつ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)や歴史認識をめぐって対立する日本を牽制(けんせい)した。
全人代開幕直前の(3月)1日には、雲南省の昆明駅で無差別殺傷事件が発生した。昨年(2013年)来、ウイグル族などによる暴動・抗議デモが多発していることを受け、治安維持などに充てる公共安全保障にも、2050億6500万元(約3兆4000億円)を計上。李首相は「暴力テロ犯罪活動を断固取り締まる」と宣言した。