仙台、岩沼、山元、浪江の4市町5件は対応が決まっていない。
すでに解体されたのは大槌町の民宿屋上に乗り上げた「観光船はまゆり」。落下の恐れがあるとして所有者の釜石市が解体したが、町は犠牲者の鎮魂などの理由から寄付を募って復元を目指している。遺構が「ない」と回答した中でも宮城県気仙沼、石巻、名取、福島県南相馬、いわきの5市は「震災遺構とするか調査検討中」としており、今後遺構が増える可能性もある。
≪まちづくりデザインが判断分ける≫
宮城県女川町は、津波で横倒しになった3つの建物のうち「旧女川交番」のみ保存の方向とし、薬局「女川サプリメント」の解体を始めた。離島の江島(えのしま)住民の宿泊施設「江島共済会館」も撤去が予定される。保存か解体か。護岸工事や復興後のまちづくりデザインが判断の分かれ目となった。
解体が始まった「女川サプリメント」は、1967(昭和42)年ごろ建てられたとされる。4階建ての1階部分で薬などが販売されていた。建物内部に乗用車が突っ込んだままになっており、津波の威力を物語る。店主の男性は震災後に土地を町に売り、県外へ引っ越した。