一方、開会式には米英カナダが政府代表団や閣僚の派遣中止を決定。日本からは桜田義孝文部科学副大臣が出席する。
≪「健常者トップ負かすレベルに」 地位向上へ全力プレー≫
今回の冬季パラリンピックは2020年東京五輪・パラリンピック招致が決定して初めての大会。アルペンスキーなど3競技に20選手が出場する日本選手団にとっては、障害者スポーツの発展に寄与し、母国で迎える祭典につなげる機会となる。
アルペンスキー男子立位で回転種目の名手、三沢拓(26)=キッセイ薬品=は6歳の時に10トントラックにはねられ、左膝から下を切断した。右脚1本で旗門を巧みにかわすターンの技術は、世界トップレベルにある。「パラで『金』を取った後は健常者のトップレーサーを負かすレベルになりたい。新聞では社会面でなく運動面で取り上げてほしい」と真剣な表情で思いを打ち明けた。
日本選手の競技環境は厳しい。座位の選手は高額のチェアスキー購入費や度重なる海外遠征のため、年間350万円ほどの費用を負担する。多くの選手は企業とのスポンサー契約で賄う。開催国のロシアは国が選手の生活まで保障するなど充実し、アイススレッジホッケーではカナダにプロリーグが存在する。障害者スポーツは先進国で一定の地位を得ている。