≪包括提携交渉難航 駆け引き激化≫
東京電力は1月に政府が認定した新たな総合特別事業計画(再建計画)で経営改革を急ぐが、柱と位置づけた「燃料・発電部門」の包括提携交渉は難航している。事実上国有化された東電と組む場合、提携企業が「社外秘の情報を国に握られる」(大手電力関係者)と懸念するためだ。ただ、首都圏の電力市場を握る東電との提携はメリットも大きく、水面下の駆け引きは激しさを増している。
東電は、原発事故の処理や損害賠償に多額の費用が必要で資金力に乏しい。このため東電は「燃料調達から発電所の建て替えまで丸ごと他社と手を結ぶ」(幹部)ことで競争力を強化し、電力小売りの全面自由化に備える考えだ。
実現すれば、火力発電用の液化天然ガス(LNG)調達量が現在の2倍近い年3500万~4000万トンに増えるため交渉力が強まるほか、老朽化した計1000万キロワット分の火力発電所も建て替えられるとしている。
提携先としては中部電力や東京ガス、大阪ガスなどが有力視される。また、4月に「電気事業部」を新設して電力小売りに本格参入する石油元売り最大手、JX日鉱日石エネルギーも東電との提携効果を見極めているもようだ。