部屋の中に曲がった壁や傾いた壁を次々作っていたのは、北川貴好さん(39)だった。彫刻家・井上武吉設計のギャラリーには、明かりを取る縦長の窓がある。その外壁は赤く塗られているため、もれてくる光も赤い。
北川さんは、壁をいくつも作ることで、その赤い光の強弱を変化させる。それだけでなく、部屋の奥の暗がりでは、屋外で撮影した、太陽の光を題材にした映像も映す。屋外から差し込む赤い光(自然の太陽光)と映像の光が共鳴するが、時刻によって赤い光と映像の光は変化し、一瞬たりとも同じ空間(部屋)にはならない。
北川さんは「自分は、環境に手を加えて、風景が変わっていく作品をつくっている」と作風について話した。
毒?薬? 予測がつかない
出品者8人は、2010年から毎秋、神戸・六甲山を舞台に開いている現代アートの祭典「六甲ミーツアート 芸術散歩」の参加者たちだ。
漫画家のしりあがり寿さんは30個のダルマが回転しながら歌う作品を予定。谷山恭子さんは、鉛のテーブルに刻印させ、その上に紙をあてて鉛筆などでなぞるフロッタージュを持ち帰らせる参加型作品を計画している。