特捜部は5000万円が選挙に使われた形跡がなく、辞職により既に社会的制裁を受けていることなどを考慮して、公判請求は見送って罰金刑が相当と判断した。公選法違反罪(明細書提出義務違反)と、政治資金規正法違反罪(寄付の量的制限違反)は不起訴処分(嫌疑不十分)とした。
大学教授らが猪瀬氏への告発状を提出し、特捜部は今年1月に受理。猪瀬氏の個人事務所を家宅捜索するなど捜査を進めていた。
≪選挙使用実体なし 苦肉の「着地点」≫
東京地検特捜部は3月28日、猪瀬直樹前都知事を略式起訴した。捜査の最大の焦点は猪瀬氏が「個人的なもの」と強調した借り入れの趣旨。選挙運動に使用された実体はなく、捜査は不起訴も視野に進んだ。検察内部で「不起訴では世間の反発を招きかねない」との判断も働く中、“着地点”として見つけた結論が略式起訴だった。
形跡見つからず
「5000万円が使用された形跡が見つからない。事件にすることは難しい」
大学教授らが提出した告発状を東京地検特捜部が1月7日に受理した直後、検察幹部はつぶやいた。