そんな中、5000万円を提供した徳洲会創設者の徳田(とくだ)虎雄元衆院議員や徳田毅(たけし)前衆院議員が「選挙目的のつもりで貸した」という趣旨の説明を始め、3月に入ると、猪瀬氏側も選挙資金であることを争わない姿勢を示し始めた。「もし正式に起訴された場合、事件が長期化する。猪瀬氏側もそれは避けたい意向があった」(猪瀬氏に近い関係者)
こうした情勢が勘案された末の略式起訴。OBを中心に検察関係者は異口同音に「かつてのイケイケの特捜部なら身柄(逮捕)になっている可能性はあった」と話す。
ある特捜経験者は「大阪地検の証拠改竄(かいざん)事件以降の慎重さが求められる特捜検察を象徴した事件だ。検察は今も“リハビリ”が続いているという印象だ」と振り返った。(SANKEI EXPRESS)
■徳洲会事件 徳田毅前衆院議員の2012年12月の衆院選で選挙区の責任者に買収資金を提供したなどとして、東京地検特捜部が医療法人「徳洲会」の徳田虎雄前理事長の親族ら計10人を起訴した。次男の毅氏は今年2月に議員を辞職。既に長女や次女の有罪が確定している。捜査の過程で徳洲会側が猪瀬直樹前東京都知事に5000万円を渡していたことが判明し、猪瀬氏は13年12月に辞職。市民団体のメンバーらが公選法違反などの容疑で猪瀬氏を刑事告発していた。