米ニューヨーク・マンハッタンのエンパイアステートビル【拡大】
地球温暖化対策に取り組む巨大都市ニューヨークが、ビルの省エネ化に本腰を入れている。なにしろ、ニューヨーク市が排出する二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの40%以上は、大型ビルが原因とされる。その最前線となっているのが、摩天楼の象徴でもある超高層のエンパイアステートビルだ。
「まずは窓から始めた」
眼下に大都会の景色を見下ろしながら、エンパイアステートビルの省エネ改装に関わった総合不動産企業ジョーンズ・ラング・ラサール幹部のダナ・シュナイダーさんは話す。
1931年5月にオープンした103階建てのエンパイアステートビルで、6500枚を超す窓ガラスを断熱タイプに加工。フィルムや気体を使って断熱効果を上げ、ほとんど交換せず再利用した。この結果、ビルの集中冷房装置4台を大型化する計画が不要になり1700万ドル(約17億4000万円)が浮いた。