米ニューヨーク・マンハッタンのエンパイアステートビル【拡大】
高層ビルが改装を進める背景には、ニューヨーク市の規制強化がある。大型ビルには、電気と水の消費量やエネルギー効率を市に毎年報告する義務が課せられた。情報は公開されるため、エネルギーの無駄が少ないビルは「資産価値が上がる」(シュナイダーさん)仕掛けが効いている。こうした規制強化で、ニューヨーク市では「排出量を2030年までに05年比30%削減」という目標達成が視野に入ってきた。
≪「世界一有名でエコなビルに」≫
米エンパイアステートビルの所有会社社長、アントニー・マルキン氏は、大改装の結果、エンパイアステートビルの光熱費が4割減ったと説明、「世界で最も有名なだけでなく、最も省エネ化が進んだビルの一つ」としてますます目立つ存在になったと述べた。
――きっかけは
「2007年ごろ気候変動対策の会合で、ニューヨークのエネルギーの8割を消費しているのがバスでもタクシーでも鉄道でもなく建築物だと聞き、興味を引かれた」