組織委員会の明確なテーマ設定はこれからだが、重要なのはまさに「後世に何を残せるか」だろう。そして、高度経済成長時代の前回の東京五輪との違いを明確に認識することだ。それは、多くの箱物施設を残すことではなく、少子化・高齢化の日本の未来を克服する上で役に立つ社会システムをつくり上げることだ。
例えば、「海外からの大会観戦者を地方に集客し、リピーター化することで持続的な創造型需要の拡大につなげる観光立国の実現」(三菱総研マンスリーレビュー2014年1月号)などは必須の目標だろう。
有川氏は「県庁おもてなし課」の中で登場人物にこんなせりふを語らせている。「元からあるもんの売り方を変えるというだけのことやけどにゃ」(角川文庫 214ページ)。すでにある観光資源をどう生かすか。意識の変換だけでも観光イメージを刷新できるとの考え方だ。
「めざせテーマパーク日本全国!」。有川浩氏が文庫本のあとがきの最後にぶちあげた目標をフィクションのままにするのはもったいない。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)