これに対し、馬総統は10日、総統府を訪問した海外の台湾人企業家団体に、学生らの議場占拠について「正常な民主社会では受け入れられないことだ」と述べた。9日夜の米シンクタンクのテレビ会議では、台湾の貿易自由化の遅れに懸念を表明し、協定の議会承認に向けて「全力を尽くす」と語り、協定発効に向けた強い意欲を表明した。
政権に揺さぶり
一方、議場を占拠してきた学生らのリーダー、台湾大学大学院生、林飛帆氏(25)は10日、産経新聞のインタビューに応じ、「台湾と中国の関係は東アジア情勢に直結している。現在の台湾に何が起きているのか、日本や世界の友人は関心を持ち続けてほしい」と訴えた。
林氏は、台湾が中国との間で調印したサービス貿易協定を、将来の統一への布石として反発してきた。中台協定監視法の制定前に協定審議を行わないとする王金平立法院長の声明で矛を収めたが、林氏はインタビューで「成功と失敗が相半ばした」と占拠を総括した。馬総統が監視法と協定の「同時進行」の姿勢を崩さず、王氏の見解と異なっているからだ。