台湾が中国と結んだ「サービス貿易協定」に反対する台湾の学生らが立法院(国会に相当)議場を占拠している問題で、学生らが全土に呼びかけた大規模な抗議デモが3月30日、台北の総統府前の大通りで行われた。警察当局によると、10万人以上が参加した。
「弱小産業の切り捨てにつながる」とサービス貿易協定に反対している学生らは、協定は事前協議を経ていない「黒箱(密室)協定」などと批判。デモ参加者の多くは黒色のシャツ姿で臨んだ。最大野党、民主進歩党の幹部らも姿を見せ、反対運動の象徴となっているヒマワリの花を手に「民主主義を守れ」「サービス貿易協定反対」と連呼した。南部の台南からバスで駆けつけたという女子大学生(21)は「議会での慎重な審議を認めないのはおかしい」と委員会審議を打ち切った与党、中国国民党を批判した。
一部学生が(3月)23日夜に行政院(内閣)庁舎に突入した際は強制排除で多数の負傷者が出たため、当局はデモを「理性的、平和的」に行うよう呼びかけつつ、不測の事態に備え警察官数千人を投入。総統府周辺では要所をバリケードで固めた。