思えば約1年前、シンガポールの合同展示会「BLUEPRINT」に「クリスチャン ダダ」の服が並んでいたことを思い出す。他にもいくつか日本ブランドの出展はあったものの、現地メディアをはじめ、インドネシア版『ハーパースバザー』や『ナイロン』誌のエディターもこぞって「森川マサノリのデザインが一番クール」と語っていた。
それから気づけばシンガポール企業の傘下に入り、ブランド価値向上を視野にパリに乗り込むことになったわけだが、歴史あるファッションの都でその牙城を崩すことはそう簡単なことではない。でもだからこそ、同じ日本人として心から応援したいし、このブランドなら現在どこかくすぶる日本のファッションシーンに一石を投じてくれるのでは、と期待したくなる。何よりも、デザイン以上にデザイナーのマインドに私自身が勇気づけられた。グローバルに夢が広がるこのブランドの未来予想図がエキサイティングになることは確かだ。(文:ファッションジャーナリスト 近藤陽子/SANKEI EXPRESS)