スキンケアを、心を整え、肌を美しく導く「作法」と表現し、日本女性の立ち姿からインスピレーションを得たパッケージは、赤い帯に手を添えて扱うと、日々のスキンケアを気品ある所作で行うことができます。商品を発表した展示会のブースは、まるで神社のような厳かさで他を圧倒しました。鳥居は自分が変わるための「ハレ(非日常)とケ(日常)」を分けるゲート(門)、そのイメージを化粧という行為になぞらえています。日本の家紋に歴史や思想があるように、そこには「美しさを導くように」という祈りが込められています。あるがままに調和する日本の美意識や、文化の源にある哲学を、時代の潮流に合わせて表現することがデザイナーとしての課題なのだといいます。
今大切なのは、日本の伝統、文化を単に識(し)ることだけではなく、伝えられてきた日本の心を、絶やすことなく、私たちの暮らしの中に息づかせることではないでしょうか。「もの」と「人」との新たな関係性を築くデザインの力に思いをはせ、クールジャパンの未来にも大きな期待を持ちたいと思います。(SANKEI EXPRESS)