韓国・珍島=2014年4月16日午前9時ごろ、韓国の旅客船「セウォル」号(乗客乗員計462人、6825トン)が珍島付近を航行中に遭難信号を発信した。※聯合ニュースによる【拡大】
乗客乗員462人を乗せた旅客船「セウォル号」が仁川を出港したのは4月15日午後9時ごろ。霧のため約2時間半遅れての出発だった。乗客は船内で就寝し、目的地の済州島まで通常なら約13時間半で運ぶ便だ。
乗客らが朝食を済ませ、売店や客室でくつろいでいた16日朝。「『ドン』という音が聞こえ、船が傾いた」(男子生徒)。転倒したり頭から血を流したりする生徒もいた。別の女子生徒はKBSテレビに「(最初は)波が強いのかと思ったが、船がどんどん傾いて不安になった」と証言した。
エンジン室にいた船員は「船の前部が衝撃を受けた」。別の乗客は「船が90度近く傾くと、船体の側面から一気に水が入ってきた」と語った。
船は午前9時ごろ、南西部の珍島(チンド)付近から遭難信号を発信。午前10時10分ごろ「沈没が迫っている。乗客は海に飛び降りろ」との船内放送が響く。「自信があれば(傾いた船の)甲板に登れ」との指示も飛び交い、船内は混乱した。午前9時20分ごろ、乗船者の一人は韓国メディアの電話取材に「船が完全に沈んでいる。学生が多く、早く救助しないと大事になる」と緊迫した状況を伝えた。女子生徒は「床より壁に立っている方が楽なほど(傾いていた)。甲板に登れない子も多かった」。女子生徒はヘリで救助され、上空から多数の救助船舶を見た。