【韓国旅客船沈没】沈没までのイメージ=2014年4月16日午前9時ごろ、韓国の旅客船「セウォル」号(乗客乗員計475人に訂正、6825トン)が珍島付近を航行中に遭難信号を発信した。※聯合ニュースによる【拡大】
「愛してる」「許してね」
沈みいく船に残された高校生らが家族への思いを託したのは、携帯電話のメッセージだった。沈没後、半日以上たった後も「船内に閉じ込められている」とのメッセージが届いたとの情報が舞い込み、17日も現場近くで捜索を見守っていた家族らは焦燥感を募らせた。
「僕は話せそうにないから(メッセージを)送っておくよ。愛している」
聯合ニュースなど、韓国メディアによると、修学旅行中の男子高校生は、母親の携帯にこう送信した。母親はこのとき、息子が乗る船が沈みかかっているとは思いもしなかったという。
女子高校生(18)は、父親に「友達と集まっているから心配しないで」と送信した。「外へ出て」との父からの返信に「船が傾きすぎて出られないの」と逼迫(ひっぱく)した状況を伝えた。
船が急激に傾きだした16日午前9時25分ごろ、乗客の一人は「部屋の傾斜が45度。メッセージがうまく送れない。救助が来たみたい」と兄へのメッセージに焦りをにじませた。兄は「気を確かに。つながればまた連絡しろ」と返したが、このやり取りを最後に連絡が途絶えたという。