生徒助け犠牲の教師も
「欄干につかまりながら救命胴衣を投げ渡してくれた姿が最後でした…」。高校教諭、ナム・ユンチョルさん(35)の教え子の一人は韓国紙にこう明かした。
生徒の証言では、揺れ始めた船内でナムさんが真っ先に始めたのが救命胴衣を探すことだった。すみに積まれた胴衣を見つけると、傾く船内を欄干をつたって移動。「落ち着いて」と生徒らを励ましながら誘導し、次々と投げ渡していった。「先生は生徒全員が救命胴衣を着て(甲板に)上がるまでとどまっていた」という。
ナムさんも一度は甲板に出たが、客室に取り残された生徒を助けに戻った。脱出間際に水にさらわれたとの目撃もある。その後、遺体で発見された。
乗客を見捨てて真っ先に脱出した船長らとは対照的に、生徒らを助けようと船内にとどまった他の教師たちの行動が続々と伝えられている。(珍島 加藤達也/SANKEI EXPRESS)