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【相川梨絵のバヌアツ通信】恐れが虜に変わる不思議な島 (1/4ページ)

2014.4.20 13:05

火山の島として有名なアンブレム島。マルム火山の火口に近づこうとするニュージーランドの冒険カメラマンは、地元バヌアツでも有名になりました=2013年6月9日、バヌアツ(相川梨絵さん提供)

火山の島として有名なアンブレム島。マルム火山の火口に近づこうとするニュージーランドの冒険カメラマンは、地元バヌアツでも有名になりました=2013年6月9日、バヌアツ(相川梨絵さん提供)【拡大】

  • 地元の人々が恐れるタムタムと記念撮影しました=2012年7月1日、バヌアツ(相川梨絵さん提供)
  • バヌアツ・首都ポートビラ(エファテ島)
  • バヌアツ

 女性は触れてはダメ

 バヌアツ人が恐れる島、アンブレム島。ここはブラックマジックで有名な島です。

 バヌアツでは大きな村の入り口に「タムタム」という背の高いトーテムポールのような柱が立っています。村の守り神的な意味もありますが、中がくり抜かれていて、お祭りの時などのドラムの役割も果たします。ポートビラの街中にも立っていて、バヌアツではそこら辺で見かけるとてもメジャーなものです。

 このタムタムを作ることを許されているのが、アンブレム島だけなのです。どの島のどの村のタムタムもアンブレム産です。そして、バヌアツ人は、自分の村以外のタムタムに決して触れようとしません。特に女性は決してタムタムに触れてはいけない、それは、タブーな事。もし犯してしまったら、タムタムの呪いで自分に悪い事が起こると本気で信じています。

 また、平和なバヌアツに暴動が起きた事がありました。その原因がブラックマジック。タンナ島出身の男性が、奥さんの具合が悪くなり、アンブレム島出身の男性に相談したそうです。外科的手術が施され、結果、奥さんは亡くなってしまいました。しかし、旦那さんはアンブレムのブラックマジックで殺されたと憤慨し、アンブレム出身者が集まる集落に火を放ったのです。そこから部族間同士の抗争に発展してしまいました。

溶岩湖に近づく男たち

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