「どうして物価上昇が良いことなんだ。生活が苦しくなるじゃないか」
最近、知人の男性にこんな質問をぶつけられた。政府と日銀は物価が持続的に下落する「デフレ」からの脱却を目指しているが、このことに疑問を持ったらしい。確かに商品を安く購入できれば、消費者はうれしい。ましてや4月からは消費税の税率が引き上げられた。知人の疑問はもっともだ。
物価の一般的な指標として消費者物価指数(CPI)がある。CPIとは商品やサービスの価格変動を示した指数で、総務省が月末に前月の数値を発表している。日銀はこのCPIが安定的に2%上昇(消費税増税の影響を除く)する世界を目指している。
経済活動が活発になって多くの人がモノを購入するようになると、モノが不足して少々値段が高くても売れるようになり、CPIは上昇する。反対に経済活動が低迷するとCPIは下落する。景気動向を判断できるため、CPIは「経済の体温計」とも呼ばれる。
日本は長い間デフレという病に苦しんできた。長期間にわたりCPIの下落傾向が続き、人に例えれば体温が低下する症状が続いた。