韓国・全羅南道の珍島(チンド)沖合で旅客船「セウォル号」が沈没した事故は、発生から5日目の4月20日、船内や海上から22人の遺体を新たに収容し、船内での遺体発見と搬出が徐々に進み始めた。警察と検察の合同捜査本部によると、事故による死者は58人で、244人が行方不明となっている。
不明者捜索は軌道に乗り始めたかたちだが、潮流の強さに加え、視界の悪い水中での作業は困難な状況が続いている。19日には捜索に当たっていた海軍兵士1人が死亡した。
現場海域には、沈没船引き揚げ用の大型クレーン5隻が待機している。船内に空気が残り、生存者がいる可能性が残っている一方、クレーンによる引き揚げ時には、船内の空気が抜ける恐れがあり、引き揚げに対する行方不明者の家族の意見はそれぞれ異なっている。
一方、沈没船の乗務員はすでに逮捕された船長(68)や事故当時操船していた女性3等航海士(25)ら29人だが、操縦など船の運航に直接かかわっていた乗務員15人は、全員救助されていたことが判明した。