ルー長官は、ロシアがウクライナへの介入を強めて情勢が一段と悪化すれば、米国に日欧も含んだ先進7カ国(G7)は「ロシアに対する制裁を強化することで一致している」と強調。G20に先立ちG7だけで開いた会合でも、「必要に応じて団結して行動することに異論は出なかった」と説明した。
だが、そうしたルー長官の熱弁と対照的に、議長国オーストラリアのジョー・ホッキー財務相(48)がやはり閉幕後の会見で、「緊張が走る場面はなかった」と強調。ウクライナ支援の必要性でロシアも米欧と足並みをそろえたと指摘した。
米欧間に微妙な温度差
対決色が薄まった謎を解くカギは「経済」だ。ロシアとの関係悪化で経済的混乱が広がるウクライナはデフォルト(債務不履行)危機もくすぶり、ロシアも米欧の制裁で資金流出が進む。ロシアやウクライナが世界的な主要産地である小麦の価格が上がり、穀物相場も不安定。G20が声明でウクライナ情勢をリスクと明記したのも、回復途上の世界経済に冷や水を浴びせかねない。ウクライナ最大の債権国のロシアにも憂慮すべき事態で、ホッキー氏は「ロシアも積極的に議論と声明作成にかかわった」と振り返る。