ミツバチは農作物の受粉にも大きな役割を果たしているそうで、県畜産課から葉山町の養蜂家を紹介してもらった。いまもいろいろとアドバイスを受ける。
「やってみなければ分からないこともたくさんあります。素人にとって一番、大変なのは冬を越すこと。今年は初めて巣箱がひとつ越冬できました」
ミツバチは冬眠せず、冬の間も巣箱の中で羽の筋肉をぶんぶんと動かして熱を出す。何万という蜂の微細なエネルギーが集積され、巣箱内の温度は35度前後に保たれるという。
春になって再びハチが動き始めた。プロは巣箱をトラックに積み、花を求めて全国を移動する。アカシアのハチミツ、ミカンのハチミツ…。花によって味も香りも異なる。
松浦養蜂園の働きバチは巣箱から飛び立ち、周囲の山やお寺の境内、民家の庭先などでミツを集める。行動半径は3、4キロ。花の種類はさまざまなので「百花蜜」。今年最初の収穫は5月下旬になるという。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:渡辺照明/SANKEI EXPRESS)