東風21Dは射程1500キロ以上(2000キロ説アリ)、開発が完全に成功すればマッハ10超で敵艦を襲う。ただ、米議会調査局は2013年3月の報告書で、防御可能で、戦略変更を迫る域に到達してはいないと断じる。例えば(1)中国軍の索敵→固定→追跡など初期段階で電波妨害を仕掛け、作戦自体を挫く(2)既存・新型の各種迎撃ミサイルやレーザー兵器を各高度・海域で重層的に組み合わせ撃ち落とす(3)東風21Dに直接電子妨害を掛ける-などは有効な戦法とする。
しかし、弱者は強者に勝つべく、戦史を学習し、持てる資源で最善の戦法を編み出す。米海軍のアルフレッド・セイヤー・マハン少将(1840~1914年)の亡霊も没後1世紀を経て尚、中国軍を励まし、教え続ける。
中国海軍は《外洋海軍》を目指している。基地の支援無しに、遠方の洋上で長期にわたり作戦行動できる海軍で、米海軍をもって代表格とする。これに比し沿岸・河港作戦に限られる中小型艦艇中心なのが《内水海軍》、外洋と内水の間に位置する海軍を《沿岸海軍》と呼ぶ。沿岸海軍は自国周辺を主な作戦海域としつつ、遠洋でも一定任務を達成し得る。現下の中国海軍はここに分類される。