社会貢献活動というと、利益優先のイメージのある「投資」とは無関係のように思われることが多い。社会貢献活動への投資は、金銭的な利益ではなく、社会的な利益のために行われる。一般的な慈善団体は、寄付や助成金、ボランティアなどに依存して運営され、組織としての安定性に乏しい場合が多く、大きな社会的な利益を達成するのは難しい。
英国では、社会貢献でも投資を受けた側は当然、リターンを求められる。そのため、収益性を高めたり、コストを削減したりするなどの努力をする。投資する側も、資金を回収してリターンを得るために、二人三脚で投資先の経営を支援する。その結果、安定した収入を確保することに成功し、自立して社会貢献活動を行えるようになる。
なかでもビッグ・ソサエティー・キャピタルは回収率が高いことで知られており、その投資先に選ばれると、個人や財団などの投資家も、そこに投資するという現象が起きている。休眠預金を呼び水として、民間の資金が社会貢献活動に流れる仕組みができあがっているのだ。
推進議員連盟も発足
日本でも、こうした休眠預金の活用を検討するため、2012年にNPOやシンクタンク、学識者、企業関係者が参加し「休眠口座国民会議」が発足した。事務局は日本財団が担っている。