発足時に開かれたシンポジウムには、貧困層を対象としたバングラデシュのグラミン銀行の創設者でノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏も参加し、活用の必要性を訴えた。
休眠口座国民会議では、海外の事例や必要な法整備についての調査のほか、シンポジウムの開催などによる国民への周知と世論づくりを展開。実際に必要な法整備を実現するため、政府や国会議員に働きかけるロビー活動も行っている。その成果が実を結び、今年4月24日には、「休眠預金活用推進議員連盟」が発足した。
どのような分野に休眠預金を活用するのかなど、議論は始まったばかりだが、議員連盟の設立趣意書には「課題を解決するための民間資金活用呼び水」という言葉が明記された。
使い方次第で大きな可能性
年間数百億円という金額は、国家予算96兆円に比べれば微々たるものだが、使い方次第では、何倍にも膨らみ、「ソーシャルイノベーション」(社会変革)を促す可能性を秘めている。(日本財団・企画推進チーム 石川陽介/SANKEI EXPRESS)