≪今期「追い風」期待薄 問われる実力≫
2015年3月期の連結業績予想で、増益率が大幅に鈍化する背景には、急激な円安株高の進行など、14年3月期のような“追い風”が期待しにくいことがある。想定為替レートの平均は1ドル=98円台と足元の水準との差が縮小しており、為替差益による業績の上方修正余地は限定的だ。企業が保有する上場株式の含み益を膨らませた株価の上昇も止まっている。今期は、戦略の巧拙など各社の実力が厳しく問われそうだ。
5月9日、最終利益などが過去最高となった14年3月期業績を発表した三菱重工業の宮永俊一社長は「円高の緩和が効いた。ありがたかった」と振り返った。三菱重工業に限らず、多くの企業に好決算をもたらしたのは、円安株高など、経営環境の急激な改善だ。
同じく最高益をたたき出したスズキの鈴木修会長は9日の決算発表会見で円安効果について「今期は期待できません」と語った。スズキはトヨタ自動車などと同じく、想定レートを1ドル=100円に設定した。