NHKで放送中の連続テレビ小説「花子とアン」(前8・00)は、小説「赤毛のアン」を初めて日本語に訳した村岡花子の生涯を描いた物語。山梨の貧しい農村に生まれたはな(花子)が、女学校に進み困難に負けないで頑張る姿が感動を呼んでいる。そんなドラマを彩っているのが美しいBGM。「空の境界」「魔法少女まどか☆マギカ」など人気アニメの音楽を数多く手がけてきた音楽家の梶浦由記(48)が書き上げた。
心情表し情景を感じさせ
日本が舞台のドラマでありながら、どこか異国情緒を感じさせる音楽が鳴り響く。ベースにあるのがケルト音楽。「はなの夢見がちな心を表現したくて、アンが暮らしたプリンスエドワード島と結びつく音楽になりました」。はなの登場シーンに鳴る震えるような音色にも、ケルト楽器のイーリアンパイプが使われている。「これで前に進もうとしているはなの強さを奏でていただきました」
女学校で花子と“腹心の友”となる葉山連子のテーマも工夫した。蓮子のモデルとなった歌人の柳原白蓮は、華族の出ながら奔放な振る舞いで名をはせた。「癖がある特殊な方。その存在感を出したかったので、弦を叩いて音を出すハンマーダルシマーを使っています」。心情を表し情景を感じさせるBGMが、ドラマに奥行きを与える。