紀元前12世紀頃から記録されているさまざまな先住民が築いた高度な文明も、16世紀のスペイン軍の到来であっけなく崩壊し、幕を閉じた。暴虐、疫病、理由はいろいろ言われているが、人口は激減し、社会は崩壊し、被征服者となり、結果的に先住民は社会的地位が低い国民になってしまった。もっと友好的に共存する道はなかったのか。個人的には非常に残念なことだが、仕方がない。
≪多様な「メキシコ人」 歴史が生んだ≫
先住民、メスティーソ(混血)、白人と混在して現代のメキシコ人となる。グアナファトで知り合ったメキシコ人のダニエラは、祖父がスペイン系の白人で、祖母がアステカ人だと話した。「親族が祖父方か、祖母方かで、まったく顔つきもキャラクターも違うの!」と、彼女はゲラゲラ笑っていたが、いかにもメキシコらしい。
また、人種差別、人種間格差は明白で、ひと昔前までは、「メスティーソお断り」「全人種OK」などと、バーやレストランの店舗に張り紙がされていた、と混血で中流階級の友人ルイスが教えてくれた。彼は仕事柄、上流階級のパーティーに出席することがあるが、いまだに出席者は白人ばかりで、混血の彼に冷たい視線を浴びせる人も少なくない、と憤りを見せた。